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宝石の種類とその特徴

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たくさんある宝石の種類を知ろう!

宝石にはたくさんの種類があります。ダイヤモンドをはじめ、ルビーやサファイアなど、子供の頃から耳にしたことのある名前ですが、それぞれどんな特徴があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。こちらで詳しく解説していきます。

ルビー

Ruby

美しい輝きの真っ赤な宝石

赤い宝石の中でも、1番認知度が高いのがルビーです。古代ヒンズー教徒は、ルビーを宝石の王として扱っていました。今でも世界中のたくさんの国で災いを防ぐと信じられており、厄除けのジュエリーとしてふさわしい宝石です。最近ではこの色にちなんで、還暦のお祝いにルビーのネックレスやリングをプレゼントされる方も増えているそう。

Data

鉱物名(和名:) コランダム(和名:鋼玉、紅玉)
硬度/比重 9/4
結晶系 六方晶系
カラーバリエーション
石言葉 勇気、情熱、守護、不滅、深い愛情を注ぐ
取り扱う際の注意点 耐久性は高いが、内部にキズや不純物があるものは衝撃に弱い。

属している鉱物は、サファイアと同じコランダムです。コランダムは無色透明ですが、生成する過程で金属元素の1つであるクロムが混ざることで、赤色になります。ルビーの中でも、最も高品質で希少価値の高いミャンマー産のルビーをピジョンブラッドといいます。透明度が高く、真っ赤な色が特徴です。

ルビーは強い太陽光に長時間さらされると、退色してしまうことがあります。普段の外出ではあまり気にする必要がありませんが、直射日光が当たらない場所で保管するようにしましょう。

>>ルビーについて詳しく見る

サファイア

Sapphire

神秘的な深いブルーが特徴的

サファイアという名前は、青という意味のラテン語が由来。青色の宝石として広く知られていますが、実は青以外にもたくさんの色を持つ宝石です。古代の人々は、自分達が暮らす世界は大きなサファイアの上にあり、空の青さはサファイアを映した色だと信じていました。またイギリス王室でも、王冠やティアラなどにサファイアが使われています。

Data

鉱物名(和名:) コランダム(和名:鋼玉、青玉)
硬度/比重 9/4
結晶系 六方晶系
カラーバリエーション 青、紫、ピンク、オレンジ、黄、緑、黒、無色
石言葉 誠実、信頼、心を鎮める、カリスマ性、引き立て運に恵まれる
取り扱う際の注意点 耐久性は高いが、内部にキズや不純物があるものは衝撃に弱い。

サファイアはルビーと同じく、コランダムに鉄やチタンなどが含まれることで、青色の宝石になります。深い青色が印象的なサファイアですが、実はその他にもオレンジ、ピンク、グリーン、イエローなど、カラーバリエーションがとても豊富。その中でも特に、オレンジを帯びたピンク色が綺麗なパパラチアというサファイアが人気です。

>>サファイアについて詳しく見る

エメラルド

Emerald

クレオパトラが愛した宝石

エメラルドは、宝石としての歴史がとても長く、クレオパトラがこよなく愛した宝石としても有名です。最も古いとされるエメラルド鉱山は、エジプトのクレオパトラの鉱山郡。その後、コロンビアやロシアなどでも発見されていますが、現在流通しているエメラルドのほとんどがコロンビア産です。古代エメラルドは神として崇められ、現在では安産のお守りともされています。

Data

鉱物名(和名:) ベリル(和名:緑柱石、翠玉)
硬度/比重 7.5~8/2.7
結晶系 六方晶系
カラーバリエーション
石言葉 幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望
取り扱う際の注意点 衝撃に弱いため、ぶつけたり落としたりしないように注意。
熱湯や熱風、直射日光を避ける。

世界の4大宝石にも数えられている、深い緑色が印象的な美しい宝石。キズや内包物が多いと言われている宝石ですが、これが天然石である明らかな証拠となります。エメラルドの名前は、ラテン語やギリシャ語で「緑色の宝石」に由来しています。ベリルは無色の鉱物ですが、結晶が形成される段階でわずかにクロムやバマジウムが混ざることで、美しい緑色に変化。結婚55周年は「エメラルド婚式」として、旦那様から奥様にエメラルドのジュエリーをプレゼントするという方もいるそうです。

>>エメラルドについて詳しく見る

真珠

Pearl

宝石の女王として愛されている

冠婚葬祭でよく身に付けられる真珠。ダイヤモンドが宝石の王様と言われるのに対し、真珠は宝石の女王として世界中の人から愛されています。歴史はとても古く、日本では日本書紀や古事記、万葉集などにも記述があります。パールは昔から装飾品として用いられていましたが、細かく砕いて化粧品や薬の原料にしたりもしていたそう。

Data

鉱物名(和名:) バイオミネラル(和名:生体鉱物)
硬度/比重 2.4~4.5/2.6~2.85
結晶系 -
カラーバリエーション 白、ピンク、ゴールド
石言葉 純潔、健康、長寿、品格
取り扱う際の注意点 硬度が低いため、傷がつかないように慎重に扱う。

真珠は、貝から採取できる宝石の一種。生体がつくる鉱物なので、「生体鉱物」とも呼ばれています。自然界では自然に発生するパールもありますが、数はものすごく少なく、現在流通している真珠の多くは養殖されたもの。昔は自然発生したパールを探すために、たくさんの貝を開けてみなければいけなかったため、希少価値が高く今よりも高価なものでした。現在は、本物の貝から採られた本真珠の他、淡水で育つ貝から採れる淡水パール、模造真珠であるフェイクパールなど様々。また母貝の種類によって、黒真珠やマペ真珠などたくさんの種類があります。

>>真珠について詳しく見る

翡翠(ひすい)(ジェダイト)

jadeite

豊穣や生命をもたらす幸運の石

古くから世界各国の人々が、魔法の石として崇めてきたのがこのジェダイトです。日本は翡翠の歴史が最も古く、縄文時代から勾玉として使用していました。豊穣や生命をもたらすものと信じられており、「幸運の石」として大切に扱われてきた宝石です。日本では新潟県や富山県のヒスイ海岸がジェダイトの有名な産出地として知られています。

Data

鉱物名(和名:) ジェダイト/ネフライト(和名:翡翠・硬玉/翡翠・軟玉)
硬度/比重 6.5~7/6~6.5
結晶系 単斜晶系
カラーバリエーション 緑、紫、赤、青、黄、オレンジ、白、黒
石言葉 繁栄、開運、洞察力のアップ、厄除け、気力のアップ
取り扱う際の注意点 耐久性は高いが傷つきやすいため、落としたりぶつけたりしないように気を付ける。

翡翠は緑色の代表石として知られており、エメラルドと並んで人気の高い宝石です。古来より「願いを叶える石」と信じられ、宝飾品としてはもちろん呪術品としても用いられていました。災いや不幸から身を守ってくれるため、お守りに最適なパワーストーンだとも言えます。実は翡翠には「ジェダイト」と「ネフライト」という2つの種類がありますが、本翡翠と言えばジェダイトのことを指します。翡翠の中でも、半透明でツヤがあり、鮮やかな緑色のインペリアルジェードが最も価値が高いとされています。また明るい藤色が美しいラヴェンダージェードも人気です。

オパール

Opal

何色もの光を放つ魅惑の石

オパールは日本人の女性からも非常に人気が高い宝石。主にオーストラリアで産出され、国石にも指定されています。語源は、古代サンスクリット語で宝石を意味する「ウパラ」。オパールの石が宝石のように輝いていたことから、このように名付けられたとされています。見る角度によって色合いが変化する「遊色効果」が1番の特徴です。

Data

鉱物名(和名:) オパール(和名:蛋白石)
硬度/比重 5~6.5/-
結晶系 非晶質
カラーバリエーション 透明、紫、赤、オレンジ、黄、緑、青、白、グレー、黒
石言葉 希望、幸福、守り石、インスピレーションを高める
取り扱う際の注意点 乾燥や熱に弱いため、保管場所に注意。また傷つきやすいので、落としたりぶつけたりしないように気を付ける。

オパールの1番の特徴は、見る角度によって様々な表情を見せる「遊色効果」です。オパールを構成しているシリカという微粒子が、光を受けることによって様々な色の光を放つ効果のことで、プレイオブカラーとも言われています。種類も豊富で、ブラックオパール、ホワイトオパール、ウォーターオパールなど様々です。

オパールは他の宝石とは違い、3~10%が水分で構成されている珍しい宝石です。そのため乾燥や熱、衝撃に弱くデリケート。特にあまり乾燥し過ぎてしまうとひび割れを起こしてしまうことがあるため、湿度の高い場所で保管するようにしましょう。

クリソベリルキャッツアイ

Chrysoberyl Cat’s Eye

金色に白の直線が猫の目を思わせる

石を半球型に研磨した時に、山高部に猫の目のような白い線が現れる宝石をキャッツアイ石と呼びます。Chryso(クリソ)はギリシャ語で“金”を意味し、クリソベリルキャッツアイは地色の美しさと条線の繊細さからキャッツアイ石の中で一番評価が高い宝石です。和装にもよく合うことから日本でもとても人気があります。

Data

鉱物名(和名:) クリソリベル(和名:猫目石)
硬度/比重 8.5/-
結晶系 斜方結晶
カラーバリエーション 黄、茶、緑、グレー
石言葉 商売繁盛、魔除けの石、再生と発展、インスピレーションを高める
取り扱う際の注意点 硬度が高く傷がつきにくいため、取り扱いしやすい。

2大主要産地は、スリランカとブラジルです。クリソベルは、火山石の一種であるペグマタイトなどと一緒に採られる酸化鉱物の一種。その中でも球状やドーム状に研磨することでキャッツアイ効果がみられる宝石をクリソベルキャッツアイと呼んでいます。ハニーイエローと呼ばれる蜂蜜のような色味が最も人気があります。

ダイヤモンドやルビー、サファイアに続いて3番目に硬度のある石なので、傷が付きにくく、比較的取り扱いしやすい宝石です。しかし他の宝石と一緒に保管すると、接触によって傷つけてしまうことがあるため、別々に保管するのがおすすめです。

アレキサンドライト

Alexandrite

昼と夜で2つの顔を持つ宝石

1830年、4月29日にウラル山脈で発見されたアレキサンドライト。ちょうどこの日はロシア皇帝のアレクサンドル二世の誕生日で、祝福の意味を込めて皇帝にちなんだ名前が付けられました。太陽光や白熱電灯の光によって、石の色味が変化することが特徴。日光の下では青や緑色に、白熱電灯の下では赤やオレンジ色に見えます。

Data

鉱物名(和名:) ゾイサイト(和名:灰簾石)
硬度/比重 6~7/3.1~3.3
結晶系 斜方晶系
カラーバリエーション 青、紫
石言葉 冷静、リラックス、深い思考と正しい判断力
取り扱う際の注意点 比較的扱いやすいが、ぶつけたり落としたりしないように注意。

主な産地はブラジル、スリランカ、ロシア、ミャンマーなど。その中でもブラジル産のものは、質の良いものが多く産出されると言われています。2色の輝きを放つアレキサンドライトは、希少価値がとても高い宝石。2面性があるという特性から、ふたご座の守護石とされています。この色の変化の度合いが品質を見極めるポイントになります。色の変化がはっきりとしているほど、質の良い石だといえるでしょう。アレキサンドライトは人工でも作られており、紫外線を吸収するという性質があるため、宇宙船の窓の材料にも使われているのだそうです。

トルマリン

Tourmaline

豊富なカラーバリエーション

カラーバリエーションがとても豊富なトルマリン。トリマリンとは、1つの宝石の名前ではなく、同じ結晶鉱物グループの総称です。生成の途中で混合する含有物が違うことによって様々な色が生まれ、色別に名前が付けられています。日本では、ピンクトルマリンやグリーントルマリンの人気が高く、各ブランドからジュエリーが発売されています。

Data

鉱物名(和名:) トルマリン(和名:電気石)
硬度/比重 7~7.5/3.1
結晶系 六方晶系
カラーバリエーション 紫、赤、オレンジ、黄、緑、青、茶、黒など
石言葉 活性、気力と体力のアップ、集中力と感受性のアップ
取り扱う際の注意点 帯電してゴミやホコリを引き寄せてしまうため、セルフクリーニングが必要。

鉱物グルームとしては、最も多いカラーバリエーションを持っています。また和名を電気石というトルマリンは、特異な電気的性質が。熱を加えたり、擦って摩擦を起こしたりすると帯電するため、こまめなクリーニングが必要です。また摩擦によってマイナスイオンが発生するともいわれており、心身のストレスやイライラを和らげてくれる効果も。身体に有害な電磁波を防ぐため、スマートフォンやパソコンを日常的によく使っている方にもおすすめです。

ガーネット

Garnet

40種類以上もの多彩なカラー

ガーネットの名前の由来は、「種子」というラテン語から。日本ではザクロに似ていることからザクロ石と呼ばれています。昔から世界各地で神聖な石として大切に扱われてきました。ガーネットというと赤色の石という印象が強いですが、実は純粋なものは紫色。さらに、なんと40種類以上もの色があり、青以外のすべての色を持つと言われています。

Data

鉱物名(和名:) ガーネット(和名:柘榴石)
硬度/比重 7~7.5/-
結晶系 等軸晶系
カラーバリエーション 無色、紫、赤、オレンジ、黄、緑、茶など
石言葉 好転、真実、友情、変わらぬ愛情、志を守る
取り扱う際の注意点 耐久性が高く、取り扱いしやすい宝石。

ガーネットは、主にケイ素を含む鉱物です。ガラスのような美しい光沢があり、透明度が高ければ高いほど価値があります。硬度が高く、昔から装飾品として用いられてきました。粒の小さいガーネットは、紙やすりの研磨剤などに使われています。現在日本で販売されているのは、黒みがかった赤、紫がかった赤、オレンジ色、緑色、黄味のある緑色の5種類のガーネット。緑色のガーネットは「デマントイド・ガーネット」と呼ばれ、ダイヤモンドのように輝くため高い評価を得ています。

良い宝石(ジュエリー)を選ぶための
知っておくべき基礎知識

満足できるジュエリーを選ぶためには、知っておきたいことがいくつかあります。ジュエリーに関する知識は専門的で少し難しいこともありますが、簡単に頭に入れておくだけでも全く違います。押さえておきたいことを簡単にまとめました。

宝石の硬度とは

宝石の硬度はモース硬度と呼ばれており、鉱物の硬さを1~10までの数値で表したもの。「硬さ」とは、「叩いて壊れるかどうか」ではなく「ひっかいた時の傷のつきにくさ」です。地球上の鉱物の中で最も硬いといわれるダイヤモンドの硬度は10ですが、ハンマーなどで叩けば簡単に砕けてしまうことがあります。

モース硬度 宝石名 性質
10 ダイヤモンド 物質の中で最も硬い
9 ルビー、サファイア ダイヤモンド以外の宝石にはキズをつけられる
8.5 キャッツアイ、アレキアンドライト -
8 トパーズ、スピネル やすりぐらいならキズがつかない
7.5 エメラルド、ガーネット、アクアマリン -
7 水晶、トルマリン、翡翠(ひすい) やすりで少しキズがつく
6.5 ペリドット、ヘマタイト -
6 トルコ石、ラピスラズリ やすりでキズがつく
窓のガラスよりやや硬い
5.5 オパール -
5 黒曜石、燐灰石 窓のガラスと同じ硬さ
4 マラカイト、蛍石 ナイフで少しキズがつく
3.5 さんご、真珠 -
3 大理石、方解石 ナイフでキズがつく
2 石膏、海泡石 爪で少しキズがつく
1 滑石 爪でキズがつく

モース硬度の他にも、宝石の硬さを判断する基準があります。1つ目に挙げられるのがヌープ硬度。引っ掻き傷に対する硬度を示すモース硬度に対し、ヌープ硬度はダイヤモンド圧子を使って石に圧力をかけ、くぼみの深さでなどを数値化します。また、曲げなどの力に対する粘りである「靭性(じんせい)」や、結晶の割れ方がある特定方向へ割れやすいという「劈開性(へきかいせい)」も宝石の硬さに深く関係しています。

宝石の比重と屈折率について

宝石の比重とは、石の密度を示しています。石の重さと、石と同じ体積の水の重さを比較して算出します。比重は宝石の価値や価格とは直接関係はありませんが、石の鑑別の際に役にたちます。
屈折率とは、研磨した宝石に光を当てた時の光の屈折の度合いを表したもの。屈折率が高いほど反射する光が多く、強い輝きを放ちます。鉱物の種類ごとに屈折率はかなり違うため、鑑別の際にはとても重要な数値です。

比重
宝石名 比重
オパール 2.10
水晶 2.65
エメラルド 2.71
真珠 2.71
トルコ石 2.80
ラピスラズリ 2.80
トルマリン 3.06
翡翠(ひすい) 3.33
ペリドット 3.34
ダイヤモンド 3.52
トパーズ 3.54
スピネル 3.60
マラカイト 3.80
ルビー 4.00
サファイア 4.00
屈折率
宝石名 屈折率
ダイヤモンド 2.419
ガーネット 1.70~1.89
ルビー、サファイア 1.76~1.77
スピネル 1.717
ペリドット 1.65~1.69
翡翠(ひすい) 平均1.66
トパーズ 1.62~1.63
トルマリン 1.62
エメラルド 1.57~1.58
水晶 1.54~1.55
オパール 1.42~1.47

総評

信頼できるプロのアドバイスを参考に

インターネットなどでたくさんの情報を得ることができる時代ですが、宝石は自然の営みによって造り出された神秘の物質。日々の社会情勢や新種の宝石の出現、国民性による流行の違いなど、地域や時代によって価値が大きく変わります。良いジュエリーを選ぶためには、誠実で信頼できる宝石店、販売員のアドバイスをもとに、ご自身が気に入ったジュエリーを選ぶことが賢明です。

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