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パール・真珠

パール

真珠という言葉は紀元前の古い中国の文献や日本書紀に登場します。海から取れる美しい石を「珠」と呼び、山の鉱石から採取される玉石と区別していました。

パール(‎Pearl)の語源ははっきりしていません。ラテン語で梨という意味のpirumの縮小辞、または同じラテン語の貝を表すpernaと言われています。真珠は現在では球形ですが、養殖で作られるようになるまでは、少しいびつな形で西洋梨の形に近かったこともあるかもしれません。

パールの種類や産地

貝の持つ色素によって、できあがる真珠の色味も変わる

真珠は貝殻に入った異物の上を少しずつカルシウムとタンパク質が層を重ねていき、少しずつ大きく球状になっていったものです。1枚の結晶は約0.4ミクロンという薄い層ですから、1ミリの厚さになんと2,500枚もの層が重なっているということになります。そのように真珠層が重なっていったために、真珠は神秘的な深みのある色と光を持っているのです。アコヤガイは黄色、黒蝶貝(くろちょうがい)は褐色の色素をもち、この色素の集積の仕方によって、ゴールド系やブラック系の真珠ができあがります。

真珠のベーシックカラーはホワイトですが、淡くピンクの光沢を放つ、ホワイトピンク系があり、その中でもロゼとマリンなど色味が少し違うものがあります。淡くピンク色が入ったものは顔色をよく見せ、結婚式などに利用されます。そのほか黄色・ゴールド系・黒色・灰色・緑がかったホワイト・グレー系ブルー・オレンジ・淡紫色など多様な色が楽しめます。

産地ごとに生息する貝や色に特徴がある

パールは大きく分けると、アコヤ真珠、白蝶真珠・黒蝶真珠、淡水パールの4種類があります。

オーストラリアを中心に、インドネシア・ミャンマー・フィリピン・タイなどでは白蝶真珠、タヒチ・ニューカレドニア・クック諸島、それから奄美大島や石垣島を中心とした日本では黒蝶真珠、中国では主に淡水パールが作られます。

もっとも一般的なホワイト系のパールがアコヤ真珠です。日本では古くから採れていたようで、魏志倭人伝によると邪馬台国は5,000粒の真珠を中国に寄贈したとあります。「和珠」とも呼ばれ、早くから真珠の養殖に成功し、世界で取引されるアコヤ真珠の大部分が日本産です、

パールの効果や石言葉

パールは石から取り出した宝石類と違って、コーラル(サンゴ)同様、生物から生成されるため、命のシンボルであると同時に、生き物であるので持ち主の心を理解し持ち主の成長を助けると言われています。

また古くから恋愛成就のパワーストーンとして人気があり、恋する乙女たちが寝るときまで身につけていました。美と健康を支えるとも言われ、クレオパトラは酢でとかした真珠を飲んでいたと言い伝えられています。その他苦痛や痛みを和らげ、安産のお守りにも使われるパワーストーンです。

パールと相性の良い石

  • 心穏やかな恋愛をしたいのならラピスラズリ

    ラピスラズリには心の中にある嫉妬などのネガティブな気持ちを取り払う作用がります。そのため、パールと組み合わせると穏やかな気持ちで恋愛をすることができます。厄除け効果もあるので、2人の間に立ちはだかる障害も取り除いてくれるでしょう。

  • 片思いを成就させたいときはガーネット

    ガーネットにはコツコツと努力しながら目標を達成させてくれる力があります。そのため、恋愛運を上げてくれるパールと組み合わせると、なかなか実らない片思いを成就させることができるでしょう。さらにパールの癒し効果が片思いの辛さをやわらげ、一歩前に進む手助けをしてくれます。

  • 悪化した人間関係を修復したいならアメジスト

    アメジストは調和や調整の効果をもつ宝石なので、持ち主の心を穏やかにし、人間関係を整えてくれる作用があります。癒しや厄除け効果の高いパールと組み合わせることで、ギクシャクしてしまった人間関係の改善効果が期待できます。

パールのお手入れ方法を紹介

パールの硬度は3でありとても低いため、取り扱いには細心の注意が必要です。お手入れをしないで保管していると表面に白い粉が拭くという現象が起きるので、取り扱いには十分気を付けながら定期的にお手入れをするようにしましょう。

パールは酸や薬品に弱いので、お手入れは基本的にパール専用のクロスで拭くようにします。専用のクロスがなければ柔らかい布で代用できます。身に着けたときは汗やお化粧がついてしまうので、パールを外したらすぐに汚れを拭き取ってください。

水で洗いたいときもそのままパールを水につけてはいけません。パールをつないでいるワイヤーの部分や接着に、ダメージが及ぶからです。乾拭きで落ちにくい汚れがあった場合には、布に少し水を付けて拭うようにすると良いでしょう。

パールのマメ知識

白く輝く無調色パールは加工から引き出される

日本産のパールとして有名なアコヤ真珠は、本来黄色みを帯びています。白く輝くパールにするには、「シミ抜き」と言われる漂白処理が必要です。白色に加工されたパールは「無調色」のものとして取り扱われます。

淡いローズの調色パールは匠の技によって生まれた

自然本来の色が淡いローズというパールもあります。 白色のパールの美しさが目立つ中、自然の淡いローズの美しさが見落とされがちなことに危惧を覚えた真珠加工会社が努力した結果、自然の淡いローズ色を一定の色に調整した「調色」のパールが誕生しました。日本が世界に誇る真珠加工技術で、職人の技があるからこそできるパールが「調色」のものです。

特徴のある「シードパール」と「マベパール」

「シードパール」は小粒の真珠のことです。ヨーロッパのアンティークジュエリーによく使われているパールで、1mm前後の極めて小さいパールのことを指します。

一方「マベパール」はマベ貝から採取できるパールのことです。マベ貝はペンギンが羽根を広げたような形状をしており、気品のある色とツヤをしています。パールが出来上がるまでには長期間を要しますが、出来上がったパールには独特の真珠層があり、ピンクにバラ色、青みがかった緑、そして黄金色など多彩なカラーがあるのも特徴です。

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